Vol.4 感想その1

北山猛邦廃線上のアリア」

周囲に埋没しきれないでいる灰色な青春小説の感覚がよく出ている。
そのへんは掲載誌のカラーにそった書き方をしてるんだろうなあと感心。
ミステリーズ! extra」の短編とも、これまでの著作4作品とも、また違った作風であるのが頼もしい。
”物理トリックの”なんて編集サイドから煽られる重圧もなかなか大変だろうけど、
それにしっかり応えるものを仕上げてくるのはさすが。
ファウストの主な読者層の反応はともかく、わたしは好きだし面白かったし、北山猛邦が書くからファウスト買ったということだけは主張しておきたいところ。
作品のもつ黄昏な雰囲気とトリックのバカバカしさのギャップがたまりませんな。