田代裕彦「キリサキ」特別編 (「ドラゴンマガジン 5月号」収録)

とある女生徒の視点から”事件”と”霧崎いづみ”の姿を描いた読み切り短編。
続編というわけではなく、本編に対してのサブ・エピソードといった位置付け。
当事者以外から見えている側面だけでは何が起こっているのかさっぱりわからなくて、
でも、わからないなりに自らを納得させながら動こうとしている、というあたりが面白い。
”死神”と”死神に憑かれた少女”の不気味さがじわじわにじみ出してくる展開が良いです。
ちなみに謎解き要素は特に無し。
しかし、寒々とした人間関係まで本編の雰囲気を踏襲しているあたり、徹底して読者に感情移入をさせないようにしているのね。