「平井骸惚此中ニ有リ 其貮」 田代裕彦 (富士見ミステリー文庫)

第3回富士見ヤングミステリー大賞<大賞>受賞作の続編。

避暑のためにとある華族のお屋敷にやって来た平井一家+河上君の一行が殺人事件に巻き込まれる。
動機は子爵の跡目争い?

ミステリ部分はまあ既視感のあるネタで、真相自体はわりと簡単に予想できてしまったものの、
軽快な語り口やライトノベルとしての口当たりの良さ等もあって楽しく読めました。
探偵小説や素人探偵に対しての語りの部分なんかも、前作からもう1歩踏みこんだものになっていて結構興味深い。
限られた犯人候補の中での連続殺人という趣向も嬉しかったりして。

前作では一向煮え切らなかった骸惚先生も今回は随分と積極的に動いて喋ってくれるし、
乙女ぶりを遺憾なく見せつけてくれる涼嬢と鈍感な河上君のやりとりも微笑ましくて良いです。
ああ、それと、メイドさんも出てきますよー(と、どこかにいるであろうメイドさん好きに向かって)

ミステリとしても進歩の跡が伺えるし、キャラクタ小説としては元々わたし好みなので、
続きを読むのが非常に楽しみ。