「黒の貴婦人」 西澤保彦 (幻冬舎)

「タック&タカチ」シリーズの短編集。 長編「スコッチゲーム」と「依存」の間をつなぐ2編「招かれざる死者」「黒の貴婦人」と 時系列的には大学卒業後になる3編(短編2+中編1)を収録。
うへえ、シリーズの前回作品って2001年ですか。そんなに待ったという気はあまりしないんだけど、 待望の新刊ということでとても楽しく読めました。幸せー。 今回のは短編集ってこともあってか、あまり黒くなくて、気持ちよく読めました。
前に「依存」を読んだときに、「スコッチゲーム」から一気に話が飛んだなあなんて思っていたんだけど、 (作品内時間でも年明けから春を飛ばして夏になった)その間に短編が2つはさまってたんですね。 語り手も同じウサコだし、表題作の「黒の貴婦人」は「依存」読んだ人は絶対に読まなきゃ駄目です。 これから「依存」を読む予定の人も、出来れば「スコッチゲーム」の後に、この本の「招かれざる死者」と「黒の貴婦人」を読んでから 「依存」にいった方がより楽しめるんじゃないかなあ。
わたしも再読したくなりました。「依存」だけじゃなくシリーズ全部。 どうせこのシリーズの新刊なんて1〜2年は先のことになりそうだしな。
収録作品の中では長めの「スプリットイメージ」が面白かったにゃーす。「招かれざる死者」もなかなかの良品。