「眠り姫は魔法を使う」 霧咲遼樹 (JUMP j BOOKS)

絵師は藤崎竜。「封神演義」でメジャーになる前の仕事ですかね?
発行は95年。富士ミス以前のライトノベル・ミステリってことなんだけど、いまいち垢抜けてなくてのれなかった。 学園ミステリというものの基本枠からはみ出しているところが少ない上、 ミステリ部分に催眠術と多重人格を絡めてあるのに超がっかり。つ、つまんねー。 催眠術と多重人格はライトノベルとかミステリ漫画の作者が陥りがちな安易な設定の双璧だと思うわけで、 それらを使う場合はよほど捻った謎を考えてもらわないと評価できないのであります。この作品は駄目ー。 あと、黒髪ストレートの薄幸のヒロインだとか、美少年で関西弁の探偵役とか、キャラクタ設定のセンスもなんだか古くさくね?
ライトノベル・ミステリとして、95年刊というところに価値を見出すことは可能なものの、 富士ミスの作品群の中にこの「眠り姫は魔法を使う」を放りこんだら、中の下くらいの評価になるんじゃなかろうか。 推薦してたえんじさんには大変申し訳ない結果になりましたが、 わしはこれが良作だとは み・と・め・ま・せ・ぬ・ぞーw