「マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)」 今野緒雪 (コバルト文庫)

ファーストデート編および別視点によるバレンタインデー騒動の短編が収録された作品。
同じ日にデートすることになった3組のカップル+お邪魔虫何人かがニアミスしながら繰り広げる1日の出来事を 次々に切り替わる多視点で立体的に描き出すという上手いことをやってますね。 キャラクタそれぞれの思惑や行動の交錯具合が読み手の心をくすぐるかたちになっていて凄く楽しいなあ。 この日幸せだった人、楽しく過ごせた人、泣いてしまった人もいて、どのキャラがお好みかによって読み手の感想もかわってきそうなところがまた心憎いというか。 なんかこうあれだ、「マリア様がみてる」で女の子たちを見守っているマリア様って、読んでいるわたしらのことなのかもー、なんて。
蔦子さんの出番が多いと嬉しいわたくしは今回も満足いたしましてよ。祥子さまのかわいらしさも堪能させていただきました。