「バイバイ、エンジェル」 笠井潔 (創元推理文庫)

ミステリ系サイト管理人を自称しているくせに実は島田荘司笠井潔も読んだことないじぇーというのが
1年前くらいのリッパーさんの自慢だったのですが、なんか読んじゃいました。
はじめてのかさいきよしにどきどき、というか、買ってから1年以上放置しちゃってるしいいかげん読まなーという感じだったのでありまして、
現象学?直観?哲学なんて知らね面白くなかったらもう笠井たんなんか読まないんだもんっなつもりだったのに、残念ながら面白かったのです。これは困りましたなあ。
あー、なんかミステリとしての骨格は古典本格ミステリの味わいそのものだし、首切りの理由が面白かった。
読む前は哲学薀蓄だの思想対決だので読むのが凄くかったるいんじゃないかと不安に思っていたのだけど、ミステリ部分の邪魔になるほどじゃあないし、
そのへんの知識が全然ないわたしでも問題なく読めたし、キャラ作りと雰囲気作りは非常にうまい。
さすがに名作として扱われているだけのことはあります。海外ミステリが好きな人にはかなり楽しめるはず。

北山猛邦の某作品はこの「バイバイ、エンジェル」にもかなりの影響受けてそうだなあとふと思った。