「石の中の蜘蛛」 浅暮三文 (集英社)

超感覚シリーズ<聴覚編>。昨年の推理作家協会賞受賞作品。

うーん、作品がもつ迫力やサスペンスな面白さは『カニスの血を嗣ぐ』の方が上かなあ。
嗅覚なら”犬”という実際に超感覚をもった身近な動物がいるのでそれなりにイメージ出来るのだけれど、
聴覚だとそういうのがないぶん、生活音とか音の記憶といった設定が非常に胡散臭い。
まあ、現実離れした奇天烈なお話という意味ではこっちの「石」の方が変でいいのかも。

正直言って超感覚シリーズはそんなに好みな作品ではないのだけれど、グレさんの本は全部読むことに決めたので、次は「左眼」買って読むなり。