野村美月 「“文学少女”と穢名の天使」 (ファミ通文庫)

クリスマス間近の街からひとりの少女が姿を消した。
水戸夕歌──ななせの親友の行方を追う心葉たちに待ち受けていたのは…。シリーズ四作目。
 ガストン・ルルーオペラ座の怪人」をモチーフに綴られる今回の物語。
誰が《ファントム》で、誰がラウルなのか!? 少女の行方は何処へと?
 事件の流れや背後関係を巧みに隠しながら語り継ぎ、天野遠子の読み解きによって全てが明らかになる。読書時の感覚はまるでミステリを読んでいるかのようだった。
心葉を想い、夕歌を想って涙する、琴吹ななせの健気な姿。
そして、本作におけるファントムやクリスチーネたちが織り成す、狂おしくて悲しい魂の軌跡が、読み手の心を深く揺さぶる傑作。

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)