藤原美里 「桃仙娘々伝」 (コバルト文庫)

若き薬師・中秋の庵に転がり込んだ女童。弟子になると言い出した桃華にはある秘密があって…。2006年ノベル大賞受賞作。
 乙女成分が欲しくなったので手を出してみた。
何はともあれ特筆すべきは桃華の可愛らしさ。物知らずでワガママで、中秋をはじめ周囲の者をさんざん振り回してくれるのだけど、天真爛漫な可愛らしさですべて許せてしまう。というか、これはまさしく”かわいいは正義”でありましょう。”偉そうな口調で喋る童女”好きには必見。
中秋と桃華とのほのぼのとしたやり取りは勿論のこと、お目付け役たる甘藍とか百果苑のご隠居との会話も楽し。かき氷ー。
終盤ちょっと大げさな展開をみせるのがいかにも中華ファンタジーですな。

桃仙娘々伝 (桃仙娘々伝シリーズ) (コバルト文庫)

桃仙娘々伝 (桃仙娘々伝シリーズ) (コバルト文庫)