とみなが貴和 「EDGE 4 檻のない虜囚」(X文庫ホワイトハート)

母親からの重圧にきしみをあげる少年の心。そのやり場のない衝動は動物たちへと向けられ…。犬殺しを追う錬摩。被害者の女性と偶然知り合うことになった宗一郎。気持ちのすれ違う2人と少年の犬殺しとが交錯する。
今作からイラストレーターが交替。わたしゃこっちの絵の方が好きだなあ。
錬摩のプロファイリングにこれまでのような切れ味がなくミステリ的な面白みはやや減じてしまったきらいはあるが、追いつめられた少年の心とその再生はしかと描かれており、一作品としての読み応えは損なっていない。
大人の女性との付き合いで変わっていく宗一郎。明確な答えを出せず揺れ続ける錬摩。2人の間にある深くて大きな溝ははたして埋まるんだろうか。
そして、ついにあの事件と犯人が錬摩の前にっ! うおぉ。


シリーズ感想:「黄昏の爆弾魔」
「三月の誘拐者」
「毒の夏」