新井輝 「ROOM NO.1301 しょーとすとりーず・すりー」 (富士見ミステリー文庫)

短編集と銘打ちながらも、いつもの富士見形式とは違い、本編と密接にリンクする「ROOM」の第3短編集。
個人の主観によるフィルタリングと言葉による情報伝達が大きな錯誤を生んでしまうというディスコミュニケーションを描いた「不埒な男」。
ツバメの微妙な?乙女心とパンチラとBL好き女子が見所の「お試し合コン」。
雑誌掲載時のアレな扉絵を文庫にまで収録してしまった英断に拍手──な「一人の夜」。
作家と編集と作品に関わるあれやこれやを描いてみせた「本気のお仕事」。
相変わらず不思議に魅力的な語り口だこと…。
ところで、「ああんっ! メガネ様☆」がわりと本気で読みたいので、富士ミス七周年記念作品として出してくれないかしら。単体で無理だというなら、富士見作家陣による「禁断のボーイズラブ・アンソロジー」とかどうよ。メガネ様☆に加えて、ドリル×一弥、山×影、ホンダ×ウォルター、骸惚×河上、…ああ、妄想がふくらむっ!