北山猛邦 「少年検閲官」 (東京創元社)
焚書の時代をへて書物そのものが失われた世界。”ミステリ”に憧れる英国人の少年クリスは旅先で奇怪で残忍な事件に巻き込まれ…。そして、少年検閲官エノと出会う。
これまでの作品にもまして幻想的な香りただよう終末世界。細かいツッコミ所は多々あるものの、クリスの語りを通して描かれる《滅びに向かいつつある世界》の雰囲気は非常に良い感じ。
閉鎖社会の中で暴力や殺人といったものを知らず育ったがゆえに事件そのものを認識出来ない村の人々。”ミステリ”を知る者による犯罪。ただ、ひとつのトリックのために形作られた世界。犯人の異様に過ぎる動機は「アリス・ミラー城」もかくやの歪さ。異世界本格の醍醐味をガツンとお見舞いされちゃいましたよ。んもう、大好き。
それから、エノ君のあまりのかわゆさにワタクシ萌え転がりまくりです。少年検閲官最高! これでクリスが実は女の子だったりしたらさらに良かったんだけど、まあ《少年×少年》萌えのガジェットを手にしている人ならばw さらに5倍楽しめることでしょう。シリーズ展開が決まっていて、近いうちにエノ君とクリス君にまた会えるってのが凄い嬉しいなあ。
- 作者: 北山猛邦
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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