桜庭一樹 「荒野の恋 第一部 catch the tail」 (ファミ通文庫)
山野内荒野、12歳。恋はじめました…。
桜庭さんらしいふわふわゆらゆらな少女像が実に愛らしくてミギーさんの絵との相性もばっちり。
クラシカルな香り漂う少女恋愛小説──と思いきや、雰囲気はちっともリリカルじゃねえ。
いんらんの母に生まれた美しき少女・七竈の物語とある意味対をなす、大人たちの恋と性を見つめる少女の物語でありました。語られているものの本質は「少女七竈」と変わらないようで、それでも両作品の間に何か見えない壁があるような気がしてしまうのは、荒野と七竈の年齢の差か、個性の違いか、文体か、あるいはイラストがついているからなのか。
純真無垢で真っ白な誰かに触れられることすら恐れていた少女が、「女」を知り、「おとな」の世界に近づき、そして恋に目覚める。微笑ましいというよりは、深い。
深いなあ…。
とりあえず、荒野のことよりも江里華がそのうち山野内パパにくわれちゃうんじゃないかと、おにーさんそっちが心配になりました。
荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)
- 作者: 桜庭一樹,ミギー
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2005/05
- メディア: 文庫
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