野梨原花南 「マルタ・サギーは探偵ですか? 3 ニッポンのドクトル・バーチ」 (富士見ミステリー文庫)

イレギュラーのカード《すばらしい世界》の力によってマルタはバーチと一緒に蓑崎へと飛ばされ…。
長編3冊めも相変わらずあっちへこっちへふらふらと軌道が定まらなくて、そのわりに話は進んでいるような、そうでもないような。
行き当たりばったりな感じもする展開や曖昧模糊とした関係の中に、マルタを取り巻く親愛だとか絆だとかがうっすらと見えてくるストーリーがいい感じ。
元いた日本ではなく”異世界オスタス”が自分のいるべき世界なのだとぼんやりと(確信ではなく)思うマルタが微笑ましい。
バーチは今回も大活躍でしたな。