遠藤淑子 「だからパパには敵わない」 (白泉社文庫)

アメリカ人のレイと女子高生の十子。
血のつながらない二人の、頼りなくも確かな家族の絆を描いた連作シリーズ「だからパパには敵わない」他、読み切り5篇を収録した作品集。
「だからパパには敵わない」は遠藤さんの中でも特に好きな作品の1つ。
レイのお茶目っぷりに笑い、不器用ながらも義理の娘を大切にしていこうと頑張る姿にしんみり…。
遠藤さんお得意の”人情”に溢れる実に味わい深い作品だよなあと再読して改めて思う。
今回併せて収録された短編もなかなかの粒ぞろい。
淡々とした中で”女の子の溜息”を描いた「エイミー」に元気いっぱいの世話焼き女子高生が魅力な「魔法のユキちゃん」あたりは名作ですよ。
心がささくれだったときに効きそうな一品。