「鉄車帝国の女囚」 吉田親司 (二見ブルーベリー文庫)

架空戦記のジャンルにメイド・巫女萌えをほうりこんだ快作「血闘絶対国防圏」の作者がついにジュブナイルポルノに登場。
草原の覇者・モンゴリアン族は辺境に突如として現れた鉄車帝国に戦いを挑む。女戦士シャミルの運命は…。
こないだ「アルスラーン戦記」を読み返していたせいもあってか前半はトゥラーンを舞台にした群雄割拠劇みたいな気分で読んじゃいましたよ。圧倒的な力を誇る鉄車帝国と総統シラトーに鉄骨棒を手に立ち向かうヒロイン・シャミルの凛々しいこと凛々しいこと。
タイトルやあらすじの雰囲気から察せられるように、話は中原の戦記ものからSF風へ展開。ヒロインの魅力もあってかなり面白く読めました。んが、終盤の展開はちょっと不満にょろ〜。シャミルにかなり感情移入しちゃってたので、この流れなら最後には……と信じていたのにーのにーのにー。
ポルノ描写は量も少なきゃ内容も全然さっぱりで、リッパーさん的には話が面白かったので別にいいんだけど、実用主義的観点にはまったく即してないというか、美少女文庫や二次元ドリームではこういうのは企画段階で通らないんじゃなかろうか(エロが薄すぎて)。二見ブルーベリーは作家おまかせで好きに書かせちゃうのかしらん。本田某も書いてたりするレーベルだしなあ。


他作品感想:「血闘絶対国防圏(上)〜邀撃の巻〜」
「血闘絶対国防圏(下)〜反撃の巻〜」

鉄車帝国の女囚 (二見ブルーベリー)

鉄車帝国の女囚 (二見ブルーベリー)