「コッペとBB団 その1」 田口仙年堂 (ファミ通文庫)

悪の秘密組織ブラック・ブリッツの基地に突然現れた謎の少女・コッペ。
幹部の1人であるQ三郎はコッペを引きとって育てることに…。

ヒーローもののフォーマットを悪の組織の視点から描いたお話。
Q三郎とその部下1号2号、そしてクモ怪人に到るまで、
所属は悪の組織なんだけど彼ら自体は”いい人”というキャラクタの立て方が抜群に良い。
おかげで怪人たちが正義のヒーローに痛い目にあわされるのが読んでて辛いという、
ヒーローものを裏返しにした物語構造がとても魅力的で面白い。
ライトドライバー(ヒーローの1人)と怪人たちの戦いの場面は素晴らしいよー。
何も知らぬ無垢な少女への親心。心優しき怪人たちの熱き戦いの物語。
吉永さん家のガーゴイル」に負けず劣らずの良作シリーズになりそう。