「黒い塔の恐怖 カー短編全集5」 ディクスン・カー (創元推理文庫)

ラジオドラマ脚本2本、短編3本、ホームズ・パスティーシュ1本、エッセイ2本に加え、
カー作品書誌と乱歩の「カー問答」を収録した作品集。

随分ごった煮感のある文庫本ですね。
ラジオドラマはシンプルで面白いし、短編では表題作「黒い塔の恐怖」がなかなかの逸品でした。
エッセイ「地上最高のゲーム」がえらく漢前な内容でかっこいい。
カーが”密室ミステリの巨匠”という扱い方をされるようになる一番の原因になったらしい乱歩の「カー問答」も初読み。
わたしには非常に面白かった「パンチとジュディ」を、乱歩先生は最もつまらない作品群の中に入れていて、
これだから本格探偵小説愛好家はっ! …とか思ってしまったことは内緒。
カーって小難しそう…なんて人への入門書に「一角獣殺人事件」→「パンチとジュディ」は超オススメだと思うんだけどなー。