「蟲と眼球とテディベア」 日日日 (MF文庫J)

高校教師・賢木は”うさりん閣下”こと宇佐川鈴音を心の底から愛していた。
だが平穏な幸せは占い師との出遭いにより終わりを告げてしまう。
予言された鈴音の凄惨な死。彼らを襲う”蟲”。そして、2人の前に現れた少女・眼球抉子(がんきゅうえぐりこ)…。

第1回MF文庫Jライトノベル新人賞・編集長特別賞。5つの新人賞をとった日日日氏の受賞作5冊目。
周りに誰も寄せつけようとしないどころか「眼球えぐっちゃうぞ」と脅しすらかけるグリコちゃんには、
ツンドラ系を遥かに飛び越え”エグリ系”なるヒロイン称号を与えたいところ。
間違っても萌え属性ではありゃしませんが。
お話はわりとシリアス風味。
エデンの林檎を食べてしまったグリコと鈴音の運命や如何に……という、高橋留美子「人魚」シリーズの系統の物語。
まあまあ面白くは読めるものの、グリコの強烈なキャラクタ以外は取りたてて印象に残るものがないかも。うさりん閣下と賢木にあまり感情移入できないのが難。
まあ、「アンダカの怪造学」や「狂乱家族日記」より特に劣っているというわけでもないので、読み手の好み次第かなとは思います。