「スラム オンライン」 桜坂洋 (ハヤカワ文庫JA)

オンライン対戦格闘ゲーム「バーサス・タウン」のカラテ使い・テツオとして最強を目指す主人公。
現実世界では優等生の眼鏡っ娘と知り合う。
オンラインと現実、2つの世界を行き来する”ぼく”の日々は…。

ゲーム世代のリアル・フィクション。青春小説としてもそこそこ面白い。
対戦格闘ゲームはブームの最初期にさわりだけやったくらいであまり馴染みはないんだけど、
ここで描かれる”ゲームで育ったぼくら”とはかなりの部分共感するものがあり。
Wizardry」でえんえん戦闘とレベルアップと宝物鑑定してたり、学校と「ダービースタリオン」を繰り返し、たまに読書……
な日々を過ごしていた20歳前後の頃を思い出しながら読んでましたよ。
ある意味”ひたすらゲームを遊び続けていたあの頃”へのノスタルジー小説でもあるんだろうな。
そのへんとイラストがtoi8さんだというせいもあってか、途中、清水マリコ作品を読んでいるかのように錯覚しかけました。