「飾られた記号 The Last Object」 佐竹彬 (電撃文庫)

空間に存在する”情報場”と直接やり取りすることが可能になった近未来。
朝倉渚は学園内で起きた殺人事件の第一発見者となってしまう。
空集合……Φと皆に呼ばれる少年・日阪道理の導き出す答えは…?

この世界には12人の森博嗣チルドレンがいて、佐竹彬はその1人なのに違いない。
そのうち、森ヒロシチルドレン(森HiME)同士で戦いがはじまって、負けた方の大切な…(以下略)。
それにしても、こんなに露骨なチルドレンぶりを見せつけてくれる子は初めて読みました。
あとがきで作者自身もぶっちゃけてしまってるのがちょっと痛い。
まあ、先人の文体を模倣しようと誰かを必要以上にリスペクトしてようと、中身さえ面白ければいいんですがのー。
残念ながらこの作品はいま三つくらいでした。
主人公の渚嬢とΦくん以外は全然キャラ立ってなくて、そのメインの2人もわりと微妙。
情報場という概念や近未来な設定も1巻の時点ではまだまだ魅力的だとは言い難い。
お話があまり面白くないんだなあ。
おまけに事件の謎と解決がミステリィとして若干首を傾げざるをえないものときては…。
解決編読んで、えー情報場でそんなこと出来たんだー? とか読者に思わせちゃうのは駄目だよう。