「ペイガン・ゴッドの白狼 探偵王女フジコ」 深見真 (富士見ミステリー文庫)

街で話題の美少女探偵フジミ・クリスティ。通称”フジコ”。
凶悪な犯罪者を素手でぶちのめす武闘派探偵として名高い少女だが、その正体は王女クラウディアだった!?
フジコは新助手ジェシカとともに、人が密室で狼に変化してしまったという事件に挑むことに…。

3周年リニューアル後の「L.O.V.E」路線、「GOSICK」や「ROOM」で富士ミスに注目しはじめた方々は知らないでしょうが、
かつて富士見ミステリー文庫にはマスコット・キャラというのが存在しました。
鳥打帽と虫眼鏡を手にした探偵スタイルの金髪少女。
”しおり”の絵にもなっていた彼女が、第1回富士見ヤングミステリー大賞作家・深見真の手により、
満を持して富士見ミステリー文庫に登場! …と相成ったのがこの作品。
ま、結果的には小説は2巻で打ち切り。リニューアルを機にフジコさんはひっそりと姿を消していき、
今では書店に並ぶ旧版作品にはさまれた”しおり”にその残影を残すのみ…。そのことを思うと、涙無しでは読めません。

長い前フリと冗談はそのくらいにして、以下感想。
王女様で美少女探偵というヒロインや、眼鏡っ娘の助手(推理を披露する実質探偵役)、
狼の呪いに密室トリック等々、キャラクタや謎解きはいかにもライトノベル・ミステリのそれ。
そこに、格闘戦やら、少女の殺し屋だとか、妙に細かいミリタリー設定といった深見テイストが加味されてるという感じ。
それともちろん深見作品にガールズラブは欠かせません。フジコとジェシカがラブラブだよー。にゃはー。
「ブロークン・フィスト」と比べてライトノベル風味にはなってても、やっぱり深見は深見だったなあ。
さて、2巻も確保しておこうか。