「ルナティック・ドリーマー」 桜庭一樹 (EXノベルズ)

冷凍睡眠されていた寿麻が目覚めたとき、そこは彼女の知っていたときから50年後の世界だった。
戸惑う寿麻の気持ちをよそに、月面都市の支配権を巡るマフィアの抗争が始まる…。

道中のパンクくさいノリがあまり好みじゃないこともあって、悪くはないけど特に面白がるところもなく読了。
軽ノリ文体と舞台設定や展開との相性があんまりよくない気がする。
この頃(2001〜2002年)の桜庭作品だと「竹田くんの恋人」は文体と作品の題材とがうまくマッチしてるんだけど、他の作品はどれもいまいちなんだよなあ。
まあ、それでも、「B-EDGE AGE」と比べれば全然普通に楽しめる作品ではあるかなと思うわけで、桜庭一樹コレクターとしては押さえておかねばなりますまい。
最後まで読むと意外にセンチメンタルなラブストーリーだったというのがわかるので、そのへんをもうちょっと盛り上げて欲しかったにー。
今の桜庭センセがリライトすれば「推定少女」に月面SFで恥ずかしくも切ないラブストーリーになりそうなんですが。