「吉永さん家のガーゴイル 7」 田口仙年堂 (ファミ通文庫)

突然「怪盗になる」と言い出した梨々。
双葉やガーゴイルが説得しても、百色への憧れと守られるだけの存在ではいたくないという梨々の想いを覆すことはなかなか出来ない。
そんな折に百色が失踪。何かあったのではないかと心配した梨々は…。

2巻で涙してしまったワタクシ的にはもう、梨々が主役というだけで”いい話”であることは保証されたようなもの。
その期待を裏切ることもなく最後まで楽しませてもらいましたよ。今作もこれまで同様の安心クオリティの超良作。
人のために盗むから”怪盗”、でも泥棒は泥棒で犯罪なわけで、なるからには覚悟が必要なんだ…
なんてことが、すごく上手く描かれてると思う。
梨々の純粋さと一生懸命なところがなんとも微笑ましくて、
双葉とガーゴイル、そして百色、それぞれがそれぞれのやり方で梨々を心配して守ろうとしてるあたり、心が暖まる。
中盤以降は派手な展開を見せてそこもちゃんと面白いのに、それに加えて物語の根底を優しさとか家族愛が支えてるのが見えるんだもんな。
そりゃ感動もするわけだよ。
百色がデュラハンへかける言葉と、最後の梨々を怒るところで、涙うるうるでした。
ま、また泣かされた…。

既刊感想→http://www.big.or.jp/~pon/book/sennendo.htm