「竹田くんの恋人 ワールズエンド・フェアリーテイル」 桜庭一樹 (角川スニーカー文庫)

携帯電話の美少女ゲームのキャラクタであるキラシャンドラが、プレイヤーである竹田くんに恋をした。
同じくゲーム世界の住人である水菜はキラシャンドラを連れ現実世界へ行くことに。
そこで出会った林太郎とともに、3人は竹田くんを捜し始めるが…。

あー、これは楽しい。さくさく読めるし、ギャグも豊富。
「逃がさないわ。彼はゲーマー、こちとらギャルゲーキャラよ。勝敗はついてるわ。」という水菜の心の台詞には爆笑。
ええ、そりゃ確かに敵いませんとも。
ギャルゲーのキャラが現実世界へ…というあらすじから、読むまではコテコテの萌えラブコメなのかと思ってたんだけど、微妙に違ってた。
行方不明の”竹田くん”を捜索しているうちに彼って一体どんな人?というのが次第に見えてくるという構成。
断片的に得られる情報に踊らされまくり、想定”竹田くん”像と態度とホイホイ変える林太郎の節操の無さが笑える。
そして、竹田くんとキラシャンドラの邂逅…。うん、このラストは良質のギャルゲー風の終わり方といっていいんじゃないかな。ほのぼのとしたいい気分で読み終えることが出来て満足。
あ、主人公カップルなんてどうでもいいざんす(ひどい。