「黄金蝶ひとり」 太田忠司 (講談社ミステリーランド)

夏休みをおじいさんのところで過ごすことになった少年・白木洸。
村の人に万能学を教える祖父。山を守る”テツ”。そして、アサギマダラの群の中にいた”黄金蝶”…。
村に隠された秘密とは?

ああ、これは素晴らしい。田舎へ行った少年の一夏の冒険を描いたお話で、ジュブナイルSFとして超優良印をつけたい傑作。
洸たちメインをはるキャラクタは魅力的に描かれてるし、ワクワクドキドキの冒険展開も面白い。
そして、冒険の末に待ち受けているものが…、うわー、なんてロマンティックなー。
謎が謎のままで物語が閉じていくことで、より想像力をかきたてる部分があって、
関わったキャラクタたちの思いとか過去とか未来へ想いをはせたくなってしまう素敵な読後感が心地良い。
最後まで読むと、おおお、そんなところにミステリ風の仕掛けがーとちょっぴり感心する部分もあり。
いいもの読みました。