「塩の街 wish on my precious」 有川浩 (電撃文庫)

人が塩化していくという”塩害”に襲われた世界。
崩壊していく社会の中、家族を失い行く所のない真奈は、秋庭という男の元へ身を寄せていた。
第10回電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞作。

終末SF+ラブストーリーなお話。
短編連作風味な前半部分はなかなか良い。一番最初の話がセンチメンタルで好み。
後半は一転、真奈と秋庭のラブストーリー展開と、滅びゆく世界を救うための作戦ってな話になるんだけど、
そのへんはいまいち気分が盛り上がらないまま読み終わってしもた。
真奈にも秋庭にも感情移入できなかったのが敗因。
ああでも、Scene-6ラストの野坂さんの台詞は良かった。グッときた。
作品としては並。”塩害”という設定は良かっただけに、ちょっと惜しい。
えー、それから、イラストがひどいという評判は聞いてたものの、まさかこんなにひどい代物だとは思いませなんだ。
絵が全部を台無しにしててしょんぼり。
折角の大賞受賞作なのに、そこそこ良い作品なのにいいい。