「ブルー・ハイドレード 〜転移〜」 海原零 (スーパーダッシュ文庫)

叛乱軍となった一行がオンボロ潜水艦で向かった先は秘密の要塞。
狙うは密かに建造されていた最新鋭の潜水艦! シリーズ第2弾。

要塞への侵入&潜水艦奪取作戦があまり冴えてない。
そんなのに命運をかける主人公組の判断ってのはどうかと思うし、それにまんまと引っ掛かってしまう敵さんの間抜けぶりには苦笑。
とはいえ、潜水艦を奪取して以降はめちゃくちゃ面白い。
最新鋭艦同士による戦闘、先の先の先を読みながら手をうっていく戦術、キャラクタたちの状況判断と心の動き、
それをひたすら面白く読ませてしまうスピード感あふれる文章。
敵の大将なカイン・リッチーが結構な強者だったおかげで戦いもかなり白熱してたし、トパーズの力と酷薄さがより印象的になってると思った。
この作品の読みどころは深海戦だよなあ、やっぱ。
それから、わたしは善意の人なソリカさんに肩入れしながら読んでるんで、ジル君がうざったくて仕方ないんですが、このアホ誰かどうにかしてくれ。
冷酷無比なトパーズさんのダークヒロインっぷりには、そこまでいくと寧ろ爽快な感さえあり。

前巻感想→http://d.hatena.ne.jp/kirisakineko/20040629