「僕らA.I.」 川上亮 (富士見ミステリー文庫)

姉と妹との3人暮らしをしていた主人公。ある日、気がついたら防波堤のテトラポットの上に倒れていた。
途切れている記憶。意識のない間に一体何があったのか? そして、姉や妹の様子までもが…。

大切にするものは何か?とか、家族というものに対しての情をメインテーマにしたSF設定サスペンスといったところ。
主人公が”選択できない”という部分にまったく共感できなくて、
イクミの覚悟の方がずっと尊いと思ったし、だからこそラストにはわりきれなさがすごく残ってしまいました。うあー、もやもやするー。
このささくれた痛みを伴う読後感がなんともいえない気分。
まあでも、話のテンポも良いし、面白いといっていい作品じゃあないかな。
セカイ系っぽい話とかが好きな人なら読んでみるのもいいかも。

本編のテーマと密接にリンクしているあとがきを読んでちょっと泣きそうになった。