「姦の忍法帖 忍法帖短篇全集5」 山田風太郎 (ちくま文庫)

七つの中・短篇+劇画ノベルスから一篇を収録。
編集・解題:日下三蔵、解説:朝松健。

以下、印象に残ったものに一言コメント。

 「姦の忍法帖」…武器防具の勝負のはずが、あれよあれよと甲賀くの一vs伊賀者の勝負へと。
しかも、試合の前に交合して互いの精を奪い合うのだ! えー、誰か美少女マンガ誌でマンガ化してくれませんかね
忍法帖ブームらしいし、という感じのエロ面白いバカ話。「のぬふ! のぬふ! のぬふ!」って……あんたw。
血なまぐさい展開もあって、段々気がひきしまっていったのに、ラストでずっこける。爆笑。兵四郎のキャラ良すぎ。

 「胎の忍法帖」…猟奇的なラストが絵で見たいような、そうでもないような。

 「転の忍法帖」…性転換の忍法を扱った変な話。これまた豪傑さんの絵が見たいような、そうでもないような。

 「〆の忍法帖」…忍法馬吸無(ばきゅーむ)というネーミングとその内容がぶっとびすぎ。
主人公が悲惨な結末を迎えているのにラストの後味はなぜか悪くない。
短篇集4「くの一死ににゆく」収録の「捧げつつ試合」との違いが味わい深い。