「屋上の暇人ども」 菅野彰 (新書館ウイングス文庫)

鴫(シギ)と夏女(ナツメ)はほんの気まぐれで天文部に入部することになった。
天文部を始めたばかりだった譲(ユズル)とその幼なじみ未来(ミキ)は、札付きの問題児として周囲に恐れられていた2人を最初は警戒していたのだが……。

一言でまとめると、不良二人組とわりかし普通の男の子・女の子の間に生まれていく友情を描いたお話。
悪い二人にもそうならざるをえない環境や過去があって、彼らに対して抱いてしまう怯えの部分と次第に育っていく情に戸惑いながらも……という部分がよーく書けてて、
なかなか読ませる青春小説になってました。面白かったざますよ。
欲をいえば、もうちょっと譲の挫折感について掘り下げてほしかったなあ。
リッパーさん的には紅一点の未来さんの好感度高し。譲くんの純朴っぷりもかわいいかも。

あと、鴫と夏女の関係だとか彼らに心惹かれていく譲くんの様子だとかがそれなりにボーイズラブ調なのだけど、
同性愛だとははっきり書かずにぼかしてあるんで、そのへん確かに初心者にも抵抗少なく読めるかもしれません。
巻末にある「中学性日記」は限りなくグレーなものの、ギリギリセーフでしたしね。