「中空」 鳥飼否宇 (角川文庫)

第21回横溝正史ミステリ大賞<優秀賞>受賞、鳥飼否宇デビュー作。
山深き竹林の奥にある小さな村。老荘思想を規範に、時代に取り残されたような暮らしをしている村人たち。
20年前におきたという大量殺人。そして、今また首を切られた死体が発見され…。

中盤まではえらく退屈。事件が起きてもどういう形に結実するのかがさっぱり想像できなくて、なんとも困ったもんだなあと思ってたら、
謎解きがはじまってからは急激に面白くなって目が覚めました。
解決編もうまく二転三転させてあるし、ミスリードにはまんまと引っ掛かってしまったしで、
本格ミステリとしてはそこそこの出来ではないかと。
あと、後の作品に見られる突飛さも若干見え隠れしてるところは面白かった。