「マリア様がみてる レイニーブルー」 今野緒雪 (コバルト文庫)

シリーズ10冊目。志摩子由乃祐巳、それぞれの憂鬱を描いたお話。

「ロザリオの雫」…新しい白薔薇姉妹がどうのこうのということよりも、志摩子さんと蔦子さんという珍しい組み合わせの会話ばかりが印象に残ってしまう。
見てるだけで、なんて、そんなこと言っちゃうのかよ、この娘はー。
観察者あるいは傍観者としての立ち位置。引かれた1線。カメラは記録装置としての存在意義であるのと同時に、こちら側とあちら側をつなぐための跳ね橋であったりするんですかー。んもう。
いろんなエピソードを積み重ねた末に、その跳ね橋を祐巳が降ろしてくれたりなんかしてくれたら、きっと泣いちゃうぞ、こんちくしょう。

黄薔薇注意報」…由乃さんの成長にまったくついていけてない令さんの話。過保護じゃのう。

レイニーブルー」…うーむ…。傘の話は冒頭にもってくるより効果的な使い方があったんじゃなかろうか。なんか勿体無いなあ。
次第に追いつめられていく祐巳の気持ちがとてもよく伝わってきました。