「眼球蒐集家」 船越百恵 (カッパノベルス)

カッパワンの第3期作品。
変人プロファイラーとドジっ娘新米刑事が眼球をくりぬく連続猟奇殺人犯を追う、というサイコスリラー。

プロファイリングものとしては、まあ水準作かなあというところ。
新味はあまりないけども、犯人の動機の部分(なぜ眼球をくりぬくのか)にはちょっと感心しました。
主要キャラの2人が妙に脳天気なこともあって、猟奇な事件を扱っているわりにグロテスクさが緩和されてて読みやすかったのは○。
解説で「サイコスリラーの素材をスラップスティックの調味料で和えた」と書いてますが、正にそんな感じ。
(『羊たちの沈黙』+秋月涼介東川篤哉)÷3くらいかなあ。
カラー口絵の4ページ目のイラストなんかは、明らかに『羊たちの沈黙』を意識してるんじゃあないですかね。蝶だし。*1
あと、終盤にある
「よう警察官、目の前に敵がいるぞ、さあどうする!?」「殺して殺して殺しまくります!!」

というネタに馬鹿笑いしてしました。よりによってそんなネタもってくるなんて、作者の船越たん重度のメフィスト賞好きですか?

七海ちゃんのドジっ娘キャラとか美咲の毒舌キャラは面白かったので、もしシリーズ化されるなら続編も読みますよー。

*1:蝶じゃなくて蛾でしたっけ?