「馬鹿★テキサス」 ベン・レーダー (ハヤカワ文庫)

テキサスを舞台に、鹿と麻薬を巡って繰り広げられる大騒動。

イカレタ表紙から受けるインパクトほどは変な話ではなかったものの、
頭のネジがゆるみっぱなしな馬鹿や変態さんがたくさん登場するドタバタ・ノワールでした。
悪玉サイドの面々が一癖も二癖もある輩で、悪なのになんか憎めないのが特に良いざんす。
悪の親分格のオスカーなんか、躊躇なく殺人を犯せる非道キャラなのに、
アントニオ・バンデラス似”というキャラづけと変な台詞回し(英語が堪能じゃないラテン系外国人)のおかげで
妙に萌えキャラになってしまってるし、
レッド&ビリーの中年小悪党コンビの馬鹿っぷりは失笑ものでオモロイ。主人公格のマーリンの活躍よりもよほど印象に残ってしまいかねないですよ
…っていうか、マーリンって全然活躍してないじゃん! 助けてもらってるし、悪党どもの敗因はほとんど自滅じゃないかー。

爆笑ミステリという売り文句は多少オーバーな気がするものの、まあまあ楽しめる作品ではありました。
おバカな悪党が好きっていう人にはおすすめかも。