「さよならトロイメライ2」 壱乗寺かるた (富士見ミステリー文庫)

学園内連続爆破事件を軸に話を展開させてはいるものの、前作に比べると本格ミステリ度は大幅ダウン。
どうやら編集に殺人事件は駄目とか言われたらしい。
「平井骸惚」や「黒白」は殺人事件OKで「トロイメライ」では駄目だという理由はなんなんざんしょ。学園ものだから?
 富士ミス編集部の考えてることは相変わらずよくわかりません。

ということで、前作であったミステリ部分の良さがばっさりなくなってしまったのが残念きわまりないのだけど、
キャラ萌え度は大幅増量。読んでる間は結構楽しかったですよ。
和服少女な八千代ちゃんが泣いたり照れたりでポイントを上げ、入院してしまった巫城お嬢様はトーマ君に甘えまくりでこっ恥ずかしいのなんの。
主人公のトーマ君も前作に比べるとだいぶ落ち着いてきたおかげで、”読者を選ぶ”と評された語り口もおとなしめで読みやすくなってきたし、
キャラもの学園ものとしてはまあまあの出来ではないかと思われます。
ただ、ミステリ寄りの読者としては、そっちも忘れて欲しくはないんですがのう…。第1作目の密室トリックやロジック部分が面白かっただけに。