「ユダの窓」 カーター・ディクスン (ハヤカワ文庫)

この密室トリックはさすがにちょっと腰くだけだろうとは思うものの、
犯人特定のための伏線とその論理的な回収が素晴らしかったりと、カー作品の中で評判が良いのもなるほどなと納得の一品でした。
裁判を中心にした法廷ミステリでありながらコテコテの本格ミステリになっているところもいいですな。
カー作品にしてはちょっとまともすぎるような気がしなくもないんだけど、
ミステリとしては非常にとっつきやすい構成になっていて、HM卿も理不尽で笑えるし(特にレジナルド・アンズウェルの扱いには爆笑)、
わたしのようなカー初心者に特にお薦めな作品かなと思いました。
ミステリ部分以外の語り要素が控え目で、すっきりまとまっているのもいい感じ。
読んでる間はノリノリで、大変面白かったなり。