「小説 スパイラル〜推理の絆〜 2 鋼鉄番長の密室」 城平京 (エニックス)

スパイラル〜推理の絆〜」というミステリ系マンガの原作者が書き下ろした小説版の第2弾。 マンガ本編とは直接はつながらない小説のみのオリジナル作品。 「鋼鉄番長の密室」という長編と「殺人ロボの恐怖」という短編を収録。
マンガ版をまったく読んだことがないわたしでも何の問題もなしでした。 キャラクタの相互関係がいまいちよくわからなかったんだけど、メインのキャラらしい歩とひよりはなかなかいいんじゃないかな。
とにかく、作中で45年前の実話として語られる”番長の時代”がめちゃくちゃ面白い。 今ではすっかりギャグと化してしまった番長というキャラクタのエッセンスを凝縮していて、その荒唐無稽さは面白おかしくて微妙に熱い。 序盤は一見ただのバカ話のように思わせておきながら、 終盤は”番長の王国”の過去と主人公たちの現在、ミステリと物語が綺麗に連動しながら見事な着地を決めている。これは傑作だす。