「高い砦」 デズモンド・バグリィ (ハヤカワ文庫NV)

ハイジャックされた飛行機がアンデス山中に不時着した。 それは乗客の中にいた反政府運動の指導者を狙った共産主義者の仕業であった。 脱出を図る一行の前に立ちはだかる軍隊。絶望的な状況の中、主人公たちは生き延びるために戦い始める。 一昔前の冒険小説の名作。
ライトノベルでもファンタジーでもない、こういう一昔前のスパイアクション+大自然アドベンチャーな冒険小説というのは初めて読んだかもしれない。 厳しすぎる状況の中で、ある者は必死に敵と戦い、ある者は助けを求め雪山越えに挑んでいく。 スリリングな展開にどきどきしながら、決して短くはない話を一気に読んでしまいました。いーい作品です。 キャラクタがとても良くて、感情移入しまくりでした。 幾人かには悲惨な結末が待ち構えているのだけど、その死の場面は読んでて本気で悲しかったなあ。 ああ…、全員無事に生き延びてほしかったのに。
中世の戦争を専門にしている歴史学者のアイディアとあり合わせの材料で作ったクロスボウや投石器で 銃火器装備な敵に対抗するという部分が特に素晴らしい。 大変面白い冒険小説でありました。アクション小説好きなら一読の価値はあるんじゃないかな。
以前shakaさんがオススメしていたのに興味を惹かれて買っておいてた本なんですが、 まさかこんなに面白いとは。いやあ、大満足です。shakaさんに感謝。