「先輩とぼく」 沖田雅 (電撃文庫)

第10回電撃ゲーム小説大賞<銀賞>受賞作。
美少女で変人な先輩とかわいい男の子である主人公が、宇宙人のせいで心がいれかわってしまうお話。

つばさ先輩の変人っぷりと暴走具合なんかは「涼宮ハルヒ」的でさほど目新しさはないのだけど、
主人公のはじめ君(心は男の子で体は美少女)があまりにかわいらしいので全部OKということで(死)
 はじめ君がつばさ先輩をすごく慕っているぶん、先輩の無茶苦茶な行動に降り回されるのを良しとしているところがあって、
同系統のドタバタ劇である「涼宮ハルヒ」に比べると嫌味があまりなくてイライラさせられることが少ないのはいい点。
もっとも萌えとかSF要素も少ないので「涼宮ハルヒ」より面白いとは断言できないのが微妙なところなんだが。

個人的に特に気にいったのは、女の子よりも寧ろ男の子キャラの方が目立っていること。
先輩以外の女の子(というか女の子になっているのは主人公のはじめ君なわけだが)の影が薄くて、
オタク的狂言回しで笑わせてくれる川村君に、頼りになる親友な真太郎君、主人公の幼なじみでわりと幸薄い熱血キャラの典弘君と、
おいしい男の子キャラが揃っている。
続編も読むかーと思わせるくらいには面白かったので、わりと満足です。