「GOSICK」 桜庭一樹 (富士見ミステリー文庫)

タイトルの通りゴシック趣味な舞台設定で、第一次大戦直後のヨーロッパの小国(架空の国)で展開される本格ミステリであります。
密室殺人からはじまり、船上での殺戮劇と犯人当てへと展開していきます。
いやー、富士ミスでこういう本格ミステリが出ちゃうと、つい評価が甘くなっちゃうんだけど。良いですよ、これ。
トリックやプロットはちょっとやさしめではあるものの本格の様式になってるし、
伏線も何気なくはっておいて真相解明部分できっちりと回収する手堅さもあり。
富士ミスでこんなに本格ミステリしてる作品って久しぶりに読んだなあ。
舞台設定がクラシカルな雰囲気を漂わせているあたりもふくめると、人によっては富士見ミステリー文庫の最高傑作だと評する人がいてもおかしくないかも。

あと、イラストの魅力もかなり大きいんだけど、探偵役のヴィクトリカ(少女)と主人公の九城少年がもう萌え萌え。
でも、リッパーさんはヴィクトリカよりはちょい役のアブリルの方が好みだったりして。刑事のお兄ちゃんもいい味だしてるし。
そんなわけでキャラクタも舞台設定も申し分なし。
ミステリ部分がちょっと殺伐としすぎているのが辛いという人もいるかもしれないけど、
ライトノベル・ミステリとしてかなり素晴らしい作品なので、本格もライトノベルもどっちも好きという人はぜひに。

それと、作者は美少女空手家作家らしいです。