「七月は織姫と彦星の交換殺人」 霧舎巧 (講談社ノベルス)

ほぼ1年ぶりの霧舎学園。
2冊同時発売とか特典付きプレミアム限定版発売とか八月編のグラビアだとかそういったところばかりじゃなくて、
ちゃんと中身も読んだ感想書こう。

五月編のキャラクタが再登場してて、最初ナオキや弓絵がどんなキャラだったか忘れてるのに気づいてちょっと焦った。
Hさんって誰だっけ?とか、五月で死んだ人と犯人は誰だっけ?とか、読んでるうちに段々思い出せたんでよかったけど、
こういう作品は間が空きすぎると内容やキャラを忘れちゃうのでよくないです、と自分の記憶力の無さを棚に上げてみる。

内容はまあいつもの霧舎ミステリというか、
キャラクタが作者の要請でしか動いてなくて不自然な印象がどうしても残ってしまうのは相変わらずで、
でもトリック自体はそんなに悪くないし、情報の欠落のおかげで探偵の推理がひっくり返されるという手順なんかも面白い。
硬派なミステリ者には怒られそうだし、キャラものとしても下手くそとかキモイとか言われそうだし、
素直に誰かにおすすめできるかといったらNOなんだけど、
それでもこれはやっぱり霧舎巧にしか書けない作品でこれはこれで楽しいと感じちゃうんだよねえ。
まあ、わたしゃ「霧舎だめぽ」とか言いつつも全著作を買って読んでいるような隠れキリシャタンなわけで、しょうがないっつーか。