「密林」 鳥飼否宇 (角川文庫)

ミステリというよりは冒険小説という感じの大自然サバイバルサスペンス。

舞台が沖縄のやんばるだということで、ウチナーンチュといっても南部者なリッパーさんにとっては
馴染みがあるようなないような微妙なところなのではありますが、
作中に名前が出てくる楚州川の河口あたりで子供の頃に家族でキャンプしたことがあったりするなあという程度のなじみ具合です。
渡久地の台詞で「わん=自分を指す」「やー=お前」「いったー=お前たち(複数形)」という沖縄方言での使いまわしが何の説明もなく出てきていて、
そのへんがないちゃーにはわかりづらいのでは?というのはありますが、まあ、文脈から類推できるので些細なことかもしれません。

冒険小説と銘打つにはちょっとこじんまりとしてますけど、面白かったですよ。沖縄ものとしてもなかなかいいと思う。