「第四の扉」 ポール・アルテ (ハヤカワミステリ)

これは面白い。  「海外モノ古典のような本格ミステリを読んでみたい。でも、重厚すぎるのとか古くさいのは苦手」という人に断然おすすめ。 オカルトな道具立てや密室殺人といった古典の香りを継承しながらも、古典にありがちな翻訳の古さからくる読みにくさもないし、 ミステリネタの量のわりにお話自体はコンパクトにまとまっていてさくさく読める。  カーの作品は『皇帝のかぎ煙草いれ』と『赤後家の殺人』しか読んだことがないので”フランスのディクスン・カー”なんて言われても 正直あまりぴんと来ないんですけど、カー好きにも特別そうでない人にも結構楽しめるんじゃないでしょうか。
あと、トリックの1つは日本の某作品*1と同じやつですね。 真相明かされるまで気がつきませんでした。

*1:新本格第一世代の作家の