ポール・アルテ 「七番目の仮説」 (ハヤカワミステリ)

夜の街を警邏中の警察官が遭遇したのは、怪しげなペストの医者とゴミ箱に押し込められた死体だった……。
《ツイスト博士》シリーズ最新刊。
 アルテの邦訳が出てたので本格ミステリ分を補給〜。
冒頭の部分なにかに似てる気がするんだよなあ…と思っていたら、訳者あとがきでディクスン・カーアラビアンナイトの殺人』にふれられてて、なるほどーと納得。
カーばりの怪事件、一癖も二癖もある登場人物、犯人の狡知と周到なトリックに唸らされる、非常にアルテらしいミステリでありました。
昨年の「狂人の部屋」ほどじゃあないけど、アルテ作品としては水準作といったところかにゃ?
一番印象に残ったのは第二部でツイスト博士たちに語られる”ある二人の対決”の場面。
どこまでが本気でどこまでが芝居なのか…!? 二転三転するやり取りにすごいドキドキしちゃったぜー。

七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)

七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)