本保智 「多次元交差点でお茶づけを。」 (角川スニーカー文庫)

いくつもの宇宙の通り道が交錯する《多次元交差点》。
クラスメイトを追って偶然迷い込んでしまった宇田川まひるは…。
生活(および節約)能力抜群のヒロインが異次元人/生物専用のホテルで働き始めるというSF風味のドタバタ話。
とにかく主人公のまひる嬢が思いきりのいい性格で、元気一杯に動き回ってツッコミをいれまくってくれるのが、読んでてとても清々しい。ちょう可愛い。
直立歩行のワニ(退役軍人)や赤い毛玉(ムック風)といった見た目や生態がアレな宿泊客たちとのトラブル等々、どことなく「ケロロ軍曹」的な面白さもあり。
後半はシリアス色強めで、ホテルの支配人を務めるミサキ君のパーソナリティと過去に関するあれやこれやを描く。
んー、そのへんの展開も興味深いものはあるけど、ワタクシ的にはもっとドタバタ展開の方にチカラ入れて欲しかったなあ。
ぶっちゃけ「食卓にビールを」by 富士見ミステリー文庫みたいなのを期待して読んでたので。
続刊では”粘液ゲル人”みたいな奇態な宇宙人様をどしどし登場させて欲しいものでやんす。

多次元交差点でお茶づけを。 (角川スニーカー文庫)

多次元交差点でお茶づけを。 (角川スニーカー文庫)