小野不由美 「悪夢の棲む家(下) ゴースト・ハント」 (講談社X文庫ホワイトハート)

 この家にはまだ何かある…。真砂子が告げた霊の存在。昔ここで誰かが殺されていた!?
 阿川母娘や広田、麻衣たちが目撃した霊現象/幻視は一体何を示していたのか。
街中のどこにでもあるような普通の家。そこに住まう普通の人たちを蝕む悪夢。
《悪霊》シリーズのある種ゴーストハウス的な(盛り沢山のギミックを楽しむ類の)面白さとは一味違う”怖さ”を堪能。
人智をこえたモノそのものよりも、人の悪意や狂気の方がよっぽど怖いということか。
終盤の背筋の凍るような展開をナルが予測しきれなかったあたりが象徴的なような。
…そんな感じで、麻衣たちの再会と活躍、とても楽しく読ませてもらいやした。
ジーンの件とか、あの後の*1彼らの変わらぬ様子にすごくほっとした部分もあったし…。
いつかまたこの連中と会える日がくるといいな。


シリーズ感想:
「悪霊がいっぱい!?」
「悪霊がホントにいっぱい!」
「悪霊がいっぱいで眠れない」
「悪霊はひとりぼっち」
「悪霊になりたくない!」
「悪霊とよばないで」
「悪霊だってヘイキ!(上)」
「悪霊だってヘイキ!(下)」
「悪夢の棲む家(上)」

*1:「悪霊だってヘイキ!」後の