小野不由美 「悪夢の棲む家(上) ゴースト・ハント」 (講談社X文庫ホワイトハート)

転居した家で気味の悪い現象に悩まされている阿川翠とその母。
調査に向かった渋谷サイキック・リサーチの面々を待っていたのは…。
 《悪霊》シリーズの続編にして(現状では)最後の作品。
発表の場がティーンズハートからホワイトハートにうつったことで、文体はヒロインの一人称から三人称へと変化。
お馴染みのメンバーを外から見たカタチ(心霊現象に否定的な広田の視点)で描いているのが今までの作品と大きく違ってて興味深い。
ほーう、麻衣ってそんな風に見られてたおね。いい娘だなあ、うん。
調査員としての成長の跡も見せてくれるあたりにニヤリとさせられる。
ナルとのチカラ関係もちょっと変わった…かな?
 文体は大きく変わっても作品のノリとクオリティの高さはそのまま。
登場人物たちを襲う不気味な”ナニカ”が読み手の好奇心と不安を誘う。
前編ではやくも謎の一つが明かされカタルシス。ややや、こっからまだ後編があるのだよ。うひょー。