わかつきひかる 「ふたかた」 (一迅社文庫)

ふと気が付いたら何故かセーラー服を着て登校していた桂高志。事故死した姉の幽霊にあやつられた!?
美少女姿の高志は俄かに学園中の注目を集めだすことに…。
 一迅社文庫そーかーん。
新レーベルの立ち上げに女装少年ものを紛れ込ませてくるとは、最近のライトノベル界隈の空気を読んでいるんだか、いないんだかw。
まあ、九郎たんとか「武林クロスロード」をやらかしたガガガ文庫よりは十倍ましだと思うけどな!*1
 さてさて、わかつきセンセのライトノベルも本作で数えて四冊目。
天然で書いている印象の「AKUMAで少女」と比べると、単語の使い方やエッチなシチュエーションに抑制がきいていて、何だか安心して読めちゃいました。
そのへん作を重ねてこなれてきたってのもあるんだろう。
編集側からの注文(直接的なエロは無しで)もいい方に働いたのでしょうな。
知らぬ間に自分の身体をのっとられ、女装させられ、皆の見世物になり……。そんな状況に慌てふためくしかなかった少年が、
死んだ姉のために自ら女装することを/ミスコンテストに出場することを決意する。
鉄拳制裁の裏に隠された幼なじみとのラブ模様がいい味出してる。
華道の娘さんも加えて、三角関係フラグとかたってくれるともっとよかったのになー。
あと、ミステリオタ的には、本作の構図をまったく逆に、お姉さんの幽霊がいると思い込んでいたけど、姉の声は全部主人公の妄想……一時的な解離性同一性障害だったんだよオチだったら評価が何倍にも跳ね上がった、かも?

ふたかた (一迅社文庫)

ふたかた (一迅社文庫)

*1:わたしゃ両作品とも好きですよ?